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『きっと、うまくいく』監督・主演最新作『PK』レビュー

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『きっと、うまくいく』の監督と主演が再びタッグを組んだ映画が公開されると聞き、一足先に試写会にて『PK』を鑑賞した。私のように、長年インド映画とはひたすら歌って、踊って、無駄に長い(失礼!)という先入観を抱いてきた人にこそぜひ見て欲しい1本だった。数日経っても心地よい余韻が残っている。

 

今度のアーミル・カーンは、まさかの異星人!?1      © RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

 

留学先でパキスタンの青年と恋に落ちるインド人のジャグー。燃え上がる2人であったが、唯一の障害「異なる宗教」が問題となり、ジャグーは悲しい失恋体験を経てインドに帰国する。TV局のレポーターになったジャグーがネタ探しに奔走していると、黄色いヘルメットにあらゆる宗教の飾りをジャラジャラと身に着けた男を発見!そのあらゆる宗教の“神様”のイラストに、「神様が行方不明」と印刷されたチラシを配るこの男の意図とは…?絶好のネタになると踏んだジャグーは「PK(酔っ払いの意)」と呼ばれる彼の身の上話に耳を傾けると、奪われた大切なものを神様に見つけてもらおうとする彼の純粋すぎる思いと、信じがたい身の上話が明らかに。世間の、いや、むしろ世界の常識を全く知らないイノセントなPKの言動が、やがて国中を大論争の渦に巻き込んでいく。

 

パキスタンの彼はイスラム教、インド人のジャグーはヒンズー教…という悲劇2     © RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

 

あるアクシデントで出会ったよき理解者“兄貴”3     © RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

 

国民の多くが無宗教だとされている日本においても、通常オトナの世界では宗教の話題はタブー。しかし、PKは宗教を全く知らないことをいいことに、今までオトナたちが密かに疑問に思っていたことを、自覚なしに鋭く突っ込んでいくのが小気味よい。伏線の所在は意識せずに、素直に物語を追うだけですべてがつながる緻密な構成、SF・コメディ・ミュージカル・恋愛モノなど多彩なジャンルをギュッと凝縮し、常に感情を刺激する153分のPKの大冒険。スクリーンで見ることの喜びを改めて実感させてくれる、極上の映画だった。

 

ミュージカルシーンも「PK節」が光る!4     © RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

 

キュートで共感を呼ぶジャグー役を演じるのはアヌシュカ・シャルマ5-1    © RAJKUMAR HIRANI FILMS PRIVATE LIMITED

 

 

文:賀来比呂美

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